ブログ 2011年12月


月刊 En-ichi 2011年1月号~12月号

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 2011年。一言では総括することの出来ないこの一年。また、どう整理して良いのかわからないと同時に、来年がどの様な年になるのか全く予想がつかない。何だか、とてつもないパラダイムシフトの真っ只中にいる感を覚えるようだ。大晦日を目の前にして、そんな気持ちでいっぱいだ。

 清水寺で毎年発表される「今年の漢字」。50万人による応募の結果、第一位になったのは『絆』だ。主催する財団法人 日本漢字能力検定協会のホームページにはこうある。

 

「絆(ハン・バン/きずな・ほだす)」が表す2011年とは・・・

日本国内では、東日本大震災や台風による大雨被害、海外では、ニュージーランド地震、タイ洪水などが発生。大規模な災害の経験から家族や仲間など身近でかけがえのない人との「絆」をあらためて知る。

人と人との小さなつながりは、地域や社会などのコミュニティだけでなく、国境を越えた地球規模の人間同士の「絆」へ。

SNSをはじめとするソーシャルメディアを通じて新たな人との「絆」が生まれ、旧知の人との「絆」が深まった。

また、国際社会ではいくつもの民主化運動が起こった。

一方、ワールドカップで優勝した、なでしこジャパンのチームの「絆」には日本中が感動し勇気づけられた。

http://www.kanken.or.jp/years_kanji/

 

 「絆」が求められているのは、日本に限ったことではなく、グローバルな次元でのことのようだ。

 「絆」で結ぶもの。それは正に人の心であり魂だと思う時、いま、改めて月刊 En-ichi のテーマである「魂の教育を実践する」ことの重要性を感じる。

 月刊 En-ichi に記されている”「魂の教育」とは何か”、にはこうある。

 

「魂の教育」は人格の核心とも言える魂の無限の可能性に気づき、その魂を強めていくこと、あるいは子供たちが自己の内面の価値に目覚めて人格の形成をなすことだと考えます。

 

 月刊 En-ichi は表紙を含めて24ページと、決して多いページ数ではないことがかえって読み易く、読んでみると、親たちにも教育関係者にも一切媚びることも無く、本質的で深い内容の記事を提供し続けていることに驚かされる。

 これからも、時代の要請に応えリードし続ける月刊 En-ichi であることを期待したい。

 

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En-ichi 12月号【No.259】を読んで

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 ブータンのジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王(31)とジェツン・ペマ王妃(21)が国賓として来日され、凛々しい王と美しい王妃の仲睦まじいご夫妻が被災地を訪ね人々と接する姿には心が癒され、閉塞感に包まれた日本にさわやかな風を吹き込んでくださった。多くの日本国民が、そんな印象を抱いたのではないだろうか。

 

 ブータンは国民総幸福量(GNH)で知られている。これは、1972年に、ブータン国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが提唱した「国民全体の幸福度」を示す“尺度”である。国民総生産(GNP)で示されるような、金銭的・物質的豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ、つまり幸福を目指すべきだとする考えから生まれたもので、1.心理的幸福、2.健康、3.教育、4.文化、5.環境、6.コミュニティー、7.良い統治、8.生活水準、9.自分の時間の使い方の9つの要素で構成されている。(wikipedia「国民総幸福量」から抜粋)

 

 ”Japan as №1”と謳われた時代から幾久しい。政治や経済の混乱は言うに及ばず、連日の様に殺人や人身事故によるダイヤの乱れが報じられる日本にとって、国民総幸福量という“尺度”とその考え方は、充分に効果のある処方箋の様に感じられる。

 更に、ブータン王国憲法を読むと、そこに家族を尊重する条文を見出すことができる。

 『国により、共同体生活の協働及び親戚観念に基づく家族の一体性に貢献する条件の発揚が最大限に邁進されなければならない。』【 新潟大学学術リポジトリ ブータン王国2008年憲法(2008年7月18日)第9条 国の政策の基本原理 第19節 より 】 国が家族をどこまで尊重するのかが、国づくりの根幹の様に思えてならない。


 En-ichi12月号(№259)掲載の八木秀次教授によるメイン記事(P.4~9)では、正にこの点について具体的に書かれている。タイトルは、「家庭基盤の充実」政策で国家崩壊の危機を乗り越えよ。

 大平正芳内閣(1978年12月~1980年7月)において、1980年5月29日に家庭基盤充実の研究グループが報告書を提出。以来、家庭を税制面で支えるなどの家庭基盤の充実政策が推進された。ところが、1994年社会保障制度審議会が『社会保障将来像委員会第二次報告』を提出して以来、大きく舵は切られ、世帯単位で国が保護してきたものを、個人に分割していく方向に一気に流れてしまった。目の前に山積する課題を解決した上で、多くの国の条文に書かれている家族尊重条項を日本国憲法にも設けるべきだと述べている。

 

 野田佳彦首相は『Voice』10月号に「わが政治哲学」という論文を発表し、「いまあらためて学ぶべきは、大平正芳さんの政治のあり方ではないか――私は最近、とみにそう思うようになった」と述べている。


 一方、谷垣禎一自民党総裁は平成22年党大会での年頭演説で次のように述べている。

 「家庭基盤を充実させ、地域から出発するという原点に立ち返りたいと思います。大平正芳元総理は「家庭基盤の充実」「田園都市構想」を提唱しました。それが「絆」を大切にする政治です。」【 自民党 Lib Dems 党大会 平成22年 総裁年頭演説<要旨> より 】


 いみじくも、ブータン王国ジグミ・ケサル国王は、来日中の11月17日、国会で行った演説の中でこう述べている。

 『いかなる国の国民も決してこのような苦難を経験すべきではありません。しかし仮にこのような不幸からより強く、より大きく立ち上がれる国があるとすれば、それは日本と日本国民であります。私はそう確信しています。』【 「国民総"幸福"量」を重んじるブータン国王が国会で演説 全文 より 】


 東日本大震災以降、家族や地域の絆の大切さが声高に叫ばれている。

 国家崩壊の危機を救い、国民が仮初ではない本当の幸福を実感する社会を築き上げるべく、最悪を最善に変えるチャンスが今だとしたら、その鍵を握るのは、「家庭基盤充実」の哲学であり政策だと確信した。

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