「発達障害に関する基礎知識」を研修しました。

去る6月12日、民生委員・児童委員課題別研修に参加させていただきました。

言葉は何度も耳にし、その意味するところも多少は知っているつもりでしたが、改めて学んでみると知らないことばかりでした。先ずはよく知り、よく理解し、心から受け止めることが大切だと感じました。

 

●概要

 

日程:2013612日(水)

会場:彩の国すこやかプラザ 2階セミナーホール

参加:192名の予定で147名の参加

講義:発達障害に関する基礎知識

講師:東京学芸大学 小笠原 恵 教授

内容1)午前の部 10:3012:20

発達障害全般および自閉症・アスペルガー症候群・注意欠陥多動性障害(ADHD)・学習障害(LD)等についての講義・DVD

内容2)午後の部 13:2015:30

前半:発達障害の子どもたちが日常生活で困っていることとその解決(講義)

後半:ちょっとだけ演習(頭の体操)

さいごに:あらかじめいただいた質問に回答

 

●まとめ

 

発達障害は生まれながら、あるいは発達の初期の段階で生起し、原因は微細脳機能障害であり、家庭環境、教育環境、あるいはしつけ等によって出現する障害ではない。

【特に、自閉症は命名者の論文で親の養育態度が原因とされたが、後に因果関係は否定された。】

 

そのため、風邪が治るようにはその障害が治ることはない。但し、周りからの適切な支援によって、そうした障害特性を抱えながら適切な社会適応をしていくことが出来るので、理解することが大切。

 

発達障害は、視覚障害や聴覚障害、身体障害とは異なり、一見すると両親であっても、あるいは本人すらその困難の理解がなされていないことが多い。そのため、やる気がない、怠慢、努力が足りない、わがまま、自分勝手、親のしつけがなっていない、などと誤解され、本来であれば防止できたであろう二次的障害(※)が生じてしまうことがある。

 

注意すべき点は、保護者から不良な養育を受けたことが理由の心理的な環境要因や教育が原因となり、児童が発達障害児と同様の行動パターン(行為障害、反抗性挑戦障害)を見せる事がよくあるが、それは発達障害には含めない。その場合は、医療により、あるいは、環境を変える等により、治癒することも出来るので、適切な対応が必要。障害の診断は小児科医等の医師に限られる。

 

※二次的障害について

 

LD、ADHD、高機能自閉症等のある児童生徒等は、知的発達に遅れが認められず、全体的には極端に学習能力が低いことはないため、認知や行動上の特性が障害として気付かれなかったり、認められなかったりする場合が多く見られます。そのため、必要な支援が受けられないばかりでなく、「やる気がない」「努力が足りない」などと非難や叱責を多く受けるなど、全般に厳しい見方をされてしまいがちです。その結果、自信や意欲を失ったり、自己評価が低くなったりして、本来ならできることも困難になってしまうなどの二次的障害が生じてきます。

独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 公式サイトより>

 

●参考

 

二次的障害について

http://www.nise.go.jp/cms/13,987,51,210.html

 

厚生労働省パンフレット「発達障害の理解のために」

http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/hattatsu/dl/01.pdf