ANAラーニング株式会社による『ヒューマンエラー対策研修』

 昨年、2011年の10大ニュースを振り返ってみると、国内では東日本大震災と東京電力福島第1原発事故だ。これは”無投票”で1位としたということで、過去5年間を見てみると、これまでに例は無い。それほどまでに重大なものだった。

 

2011年10大ニュース

 

 共同通信社と全国の加盟新聞社、民放契約社の編集・論説担当者らが報道現場の視点から選んだことしの十大ニュースが決まった。

 国内ニュースでは、未曽有の被害をもたらした東日本大震災とレベル7の東京電力福島第1原発事故を無投票で1位とし、2位以下を選定。東電の計画停電が6位、中部電力浜岡原発の停止が7位と、震災、原発事故関連が計3項目入った。

共同通信社ホームページ から)

 

 ここで日本人が教訓とし、深く胸に刻み込み、これからの国づくりに向けてよくよく考えなければならないことが思い起こされる。それは、ヒューマンエラー対策だ。

 既に、どの業界でも、どこの企業でも、どんな組織でも、そんなことは当たり前になってはいることだろうけれど、この次の記事を読んで、事の深刻さに身震いした。

 

3号機冷却装置 相談せず停止(12月22日 6:20更新)


 東京電力福島第一原子力発電所の3号機で、水素爆発を起こす前日の3月13日に、現場の運転員が非常用の冷却装置を所長らがいる対策本部に相談せずに停止し、原子炉を冷やせない状態が7時間近く続いていたことが、政府の事故調査・検証委員会の調べで分かりました。

 NHK 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース から)

 

 『ヒューマンエラー』でGoogle検索してみると、関連項目として『ヒューマンエラー対策セミナー』

が推奨され、早速クリックしてみると、トップに表題のANAラーニング株式会社による『ヒューマンエラー対策研修』を見出した。

 たとえ些細な事故であったとしても甚大な人命を失うことに繋がりかねない航空機業界ならではの、蓄積されたノウハウとスキルがそこにはあるに違いない。

 

研修内容


ヒューマンエラーをゼロにすることは出来ない
人は人であるがゆえにエラーをなくすことは出来ません。
しかし、「エラーの影響をコントロールすることは可能」です。


エラーチェーン
事故は1つの事象のみが原因となり発生することは稀で、いくつものエラー(事象)がチェーンのように連鎖した結果として発生します。


発生した事故に対し、
誰の責任か?」を問うのではなく
誰が防ぐことができたか?」と問うことが
事故防止の基本であり、研修プログラムの骨子です。

 

ANAラーニング株式会社『ヒューマンエラー対策』ホームページ から

 

 果たして、今の学校教育の現場における教育関係者間のヒューマンエラー対策や、児童生徒に向けたヒューマンエラー対策教育はどのように為されているのであろうか。

 テストで満点を取る者だけが良しとされ、ケアレスミスは自己責任として放置するのではなく、教育現場で起きたヒューマンエラーはむしろ教育のチャンスとして捉え、適切な指導が為されるならば、起こるかもしれない将来の重大なヒューマンエラーを未然に防ぐことにも繋がるかもしれない。

 近年、高校野球や高校サッカーにおいて実績を残す学校は、平素の練習に場においてもこういった観点での指導が為されているようだが、スポーツ以外の面においても、教育の現場に取り入れるべき時が来ているように思う。